2016年4月アーカイブ

朝、目が覚めると、柔らかな陽光がレースのカーテン越しに差し込んでいた。そのせいか目覚めも良く、頭もスッキリしている。勢いよくベットから飛び出し、階下へ降りた。キッチンでは、ぼさぼさ頭の一人娘がパンを齧りながら、ノートパソコンの画面を覗き込んでいる。

「ちょっと、年頃の娘が何よ、その頭〜」

「今日は、大学、昼からだから」

「答えになってないんじゃない?」

「わかってるって。誰が見ているかわからないんだから、でしょ?」

もう、口答えだけは一人前である。

冷凍庫から、お気に入りの珈琲を取り出し、珈琲メーカーのスイッチを入れた。

「お父さんは?」

「もう、とっくの昔に出て行ったよ」

「どうして、起こしてくれなかったの?」

「寝かしといてやれって。優しいね」

昨日は慣れない近所の集まりで、ほとほと疲れて帰宅したのだった。近所付き合いも楽ではない。

ふと外を見ると、蒼空が広がっている。

「散歩でしない?」

「え、冗談でしょう。今、勉強中で〜す」

仕方がないので、薄手のダウンジャケットを羽織って、一人で外に出た。春の足音が近づいているとはいえ、桜の蕾はまだ固く、時折吹く風にも冷たいのを感じた。

真っ青な空を見上げると、二羽のカラスが仲良く飛行していた。

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